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世界遺産の足元に「きれいな」外来植物 駆除は至難の業 [奄美・沖縄]:朝日新聞デジタル

• Source: asahi.com
 奄美の森は集落のそばに広がり、林道も多く、人が出入りしやすい。長く自然保護活動を続ける常田さんは「希少植物も身近だけど、外来種も入りやすいので、影響が心配だ」。  その一つが、インドなどが原産のハナシュクシャ。白い花が美しく、庭に咲かせる民家もあるが、島の固有種で絶滅危惧種のアマミクサアジサイの自生地にも広がり、覆い尽くそうとしている。  南米北部産のアメリカハマグルマもやっかいだ。島中部のマングローブ林のそばでは、在来のキダチハマグルマを囲むように生い茂り、駆逐や交雑が懸念される。緑化用に1970年代に南西諸島に植えられ、徳之島(鹿児島県)や西表島、やんばるにも広がる。  集落の河川では、南米産のオオフサモが水面を覆いつくす場所も。淡水魚の飼育用の水草が捨てられて増えたとみられるが、洪水時の水の流れを妨げる恐れも指摘されている。  そして、島の美しい海岸を一変させたのが、豪州産のモクマオウ。護岸工事などで伐採されたアダンなどの在来種に代わり、鹿児島県が50年代から防風や防潮、防砂のために植えた。砂地でも成長が早い特性を見込んだが、在来種を追いやり、波打ち際まで増殖。希少種の渡り鳥コアジサシの繁殖地も奪った。  鹿児島県が発表した侵略的外来種の番付表で、モクマオウは「小結」。問題との認識はあるが、県は「ほかに(防風林などに)適した木がない」と、在来種と一緒に植える「混植」に切り替えつつ植栽を続けた。同様の問題を抱える小笠原諸島(東京都)では2011年の遺産登録前から国などが、抜き取りや薬剤注入などでモクマオウを計画的に減らす努力を続けており、対応に差がみられる。  「植物界のマングース」。常田さんはこの木をそう表現する。ハブ駆除を担う期待の星として人が放ちながら、島の希少動物を襲ったマングースの姿と重なるからだ。他の外来植物も同じで、生態系への影響を考慮せず、安易に島に放してきた過去のツケが回ってきているという。  鹿児島県は2019年、住民に身近で、駆除の効果が出やすい外来種の駆除マニュアルを作成・公開した。住民による駆除の「参考にしてもらいたい」(県自然保護課)とするが、根や種を残さないように気を配り、何度も繰り返して再生を防ぐ必要があり、根絶のハードルは高い。いまだに手つかずの種も多い。  常田さんは侵入防止の重要性を指摘し、こう話す。「自然を知らないと対応を誤り、新たな外来種が増えかねない。守るには本来の姿を学ぶしかない」(外尾誠) 関連ニュース