一本の電話、失意に光 五輪直前の負傷越え―体操・北園選手〔五輪・体操〕:時事ドットコム
清風中高(大阪市)の恩師、梅本英貴監督(45)は「中学までは将来をつぶさないように、東京で勝負していいのか、パリを目指した方がいいのか迷いながらだった」と振り返る。投げやりになった姿も、いじけた姿も見てきたが、「東京五輪で金を取ることは絶対ぶれなかった」と話す。 体操にけがは付き物と、母希望さん(48)は「ある程度は覚悟していた」。予選をトップ通過で迎えた今年4月の全日本個人総合決勝で鉄棒の演技中に落下し、右肘靱帯(じんたい)を損傷した。「東京五輪を親としても諦めざるを得ないのかな」。希望さんは「大丈夫」と息子に告げながら、「五輪だけじゃないよ」という言葉はのみ込んだ。 大会後、北園選手が梅本さんと治療に専念していた時だった。「航平さんから電話があってん」「励ましてくれたん?」「うん」。電話の内容は聞いていないが、「心がプンと上がった」のを感じた。梅本さんも「やれるんじゃないかというタイミングで航平が電話をくれた」と語る。 コロナ禍で1年遅れの五輪開催となり、現役高校生での出場はかなわなかったが、団体の銀メダルに貢献。28日午後、個人総合決勝に出場し、メダルに挑む。