シャープ戴会長

シャープ戴会長、社長就任からの5年間を振り返る--45回のメッセージから見えた経営論
シャープ戴会長、社長就任からの5年間を振り返る 45回のメッセージから見えた経営論
左から、鴻海科技集団の戴正呉副総裁(現シャープ会長兼CEO)と、鴻海科技集団の郭台銘会長兼CEO(当時)、シャープの高橋興三社長(当時)
最初に触れたのが6月29日に開催した第127期定時株主総会についてだ。戴会長兼CEO自らは、2020年同様、台湾からテレビ会議で出席したこと、株主から温かい声援をもらったこと、同日に発表した「mini LED 次世代ディスプレイ」の展示に対しても、「圧倒的な明るさで従来機との違いは一目瞭然。商品化が楽しみだ」、「黒が引き締まって美しく、大画面の迫力を感じた」といった高い評価を得たことを報告。「日本ブランド初となる次世代テレビの商品化を早期に実現し、さらなる事業拡大、ブランド価値向上につなげてほしい」とした。
「mini LED次世代ディスプレイ」
今回の主要テーマである、新体制発足から丸5年を経過したメッセージについては、「原点回帰」という言葉を使って発信した。
戴会長兼CEOは「2021年8月は、私がシャープの経営に携わってから丸5年となり、ひとつの区切りを迎える。この5年間は、さまざまな環境変化が起こるなかでも、経営基本方針のもと、抜本的構造改革や事業変革に、全社一丸となって、積極果敢に挑戦してきた結果、大きく経営改善を果たすことができた。この間の皆さんの努力に改めて感謝する」と述べ、「足元の事業環境は、新型コロナウイルスや半導体不足、物流の逼迫、鋼材や樹脂といった原材料価格の上昇など、日に日に厳しさが増しており、今後も想定を超えるような変化が起こることが考えられる。今後5年、10年と、シャープが持続的に成長していくためには、私たちの改革の原点となる経営基本方針に沿い、環境変化に対応し、常に自らを変革し続けることが重要である」とした。
そして、これまでに45回に渡って社員に発信してきたメッセージを通じて、経営基本方針に関して、具体的事例を用いて説明してきたことを強調。「いま、私たちが改めて認識すべき重要なポイントについて再確認しておきたい」とし、これまでのメッセージのなかから重要となる5つのポイントについて再掲した。以下の通りだ。
(1)創業の精神
(2)正々堂々の経営
(4)開源節流
“開源”の観点では、「4象限経営」を実践し、新たな事業の創出を加速すること。“節流”の観点では、日々のオペレーションや組織体制、サプライチェーンにおいて、さまざまな視点でムダの撲滅に取り組むこと。
(5)強い決心/Ambition
(1)事業変革
サービス/ソリューション事業の展開、新たなプラットフォームの創出、グローバル事業拡大、B2B/B2Cビジネスの両面展開、健康/医療分野への新規参入、COCORO LIFEをてこにしたECビジネスの強化など、新たな発想で事業拡大に取り組み、早期にビジネスモデルの転換を図ること。
(2)量から質へ
(3)プラス経営
事業戦略の立案、実行においてはもとより、拠点の集約や閉鎖、不採算事業の見直しといった構造改革を実行するにあたっても、単なる削減一辺倒の発想ではなく、新たな価値を創出するという発想を持って改革に取り組むこと。
(4)One SHARP
拠点の統合や遊休資産の活用、共同調達など、全社の経営資源を有効活用し、経営効率の向上を図るとともに、販路の相互活用や技術の融合による新規事業の創出等、事業間の連携を強化し、事業拡大に取り組むこと。
(5)M&A/協業、借力使力
(メッセージ発信日:2016年8月22日、2020年3月3日)
今回のCEOメッセージの最後に戴会長兼CEOは6月4日に、日本から台湾に、新型コロナウイルスワクチン124万回分が提供されたこと、7月8日に113万回分の追加提供があったことに触れ、「支援を決定した日本政府に対して、改めて感謝の意を表したい」と述べた。また、7月23日から開催される東京オリンピックについても、「安心安全な大会として、無事、成功を収めることを祈念する」とした。
また、戴会長兼CEOは「足元の事業環境は、極めて厳しい状況が続いている。いまなすべきことは、経営基本方針を着実に実行していくことである。新経営体制のもと、2021度も全社一丸となって改革に取り組み、業績目標の達成を目指そう」とした。
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