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 宇宙シンポジウムは24日、同町サンゴ台のホテル&リゾーツ和歌山串本で開催。約200人が来場したほか、オンラインの生配信には約1200人から申し込みがあった。
 この日は、宇宙飛行士の山崎直子さんと宇宙航空研究開発機構(JAXA)はやぶさ2プロジェクトマネジャーの津田雄一さん、人工衛星など宇宙ビジネスに取り組んでいる三菱電機の小山浩主席技監、スペースポート紀伊から小型ロケットを打ち上げる会社「スペースワン」の遠藤守最高顧問、東京大学大学院の中須賀真一教授が参加。講演やパネルディスカッションがあった。
■「宇宙は皆を待っている」 宇宙飛行士・山崎さん
 山崎さんは、幼少期に見た美しい星空が宇宙が好きになった原点だったこと、中学生の時に日本人の初代の宇宙飛行士3人が選ばれたことやテレビでスペースシャトルの打ち上げを見たことがきっかけとなって「自分もいつか行きたいな」と宇宙開発に携わろうと思うようになったことを紹介。「スペースポート紀伊ができ、自分の地域から宇宙にロケットが飛んでいくのを間近に見たお子さんたちは、きっと自分事として大きな影響を受ける。そうしたお子さんたちがこれから日本や世界の宇宙開発を支えていってくれると、大きく期待している」と話した。
 また、宇宙飛行士としての訓練内容や仕事について紹介したほか、宇宙に初めて行った時に感じたことについて「どことなく懐かしい感じがした。無重力状態で浮いているのは海の中や、胎内にいた時の感覚に似ているのかもしれない。もともと地球も私たち一人一人も宇宙のかけらからできており、宇宙はふるさとを訪ねていく感覚。宇宙は皆さんを待っている」と来場者に呼び掛けた。
 次に講演したJAXAの津田さんは、小惑星「リュウグウ」から砂などのサンプルを採取し、昨年12月6日に6年間の宇宙旅行を終えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ2」の取り組みを紹介。「一つ一つが大変なチャレンジだったが、乗り越えることができ、ふたを開ければすべて大成功だった」などと振り返った。
 さらに「宇宙に港ができるようになれば、スペースポート紀伊はアースポート紀伊、地球港と呼ばれるような時代になる。人類の活動圏は地球にとどまらないのは確実で、活動圏の拡大に必要なのは裾野を広げること。これはまさに(スペースポート紀伊から打ち上げられるロケット)カイロスのやっていくことで、高頻度、安価なロケットは裾野を広げることに確実に貢献する。さらにその先、頂点を押し上げるために何をしなければならないのかをキーワードに、スペースポート紀伊ならでは、日本ならではのやり方を見つけていければ」と述べた。
 パネルディスカッションには県職員も参加し、それぞれが宇宙が好きになったきっかけや人工衛星の将来像、2024年までの月面着陸を目指している「アルテミス計画」、宇宙開発に携わる人材の育成などについて話した。
 また、会場では、同町の串本古座高校CGS部(地域包括的支援)部の生徒たちが、串本から打ち上げられるロケットにちなんで制作したオリジナルキャラクター「かいろすくん」の缶バッジを来場者にプレゼントした。

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