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 何度も挫折を味わってきた遅咲きスイマーが、初めて世界女王になった。後続の追い上げを振り切り先頭でフィニッシュした大橋。拳を水面に打ちつけて喜びを爆発させた。「夢みたい。自分が金メダルを取れるなんて本当に思っていなかった」。プールから上がると、こみ上げる涙を両手で押さえるのに必死だった。
 地道に努力を重ねてきた成果が大一番で発揮された。得意の前半200メートルで2位の好位置につける。苦手意識があって改良を重ねてきた3種目めの平泳ぎでトップに立ち、差をぐんぐん広げた。4種目めの自由形では、体力的にきつくなる300~350メートルは「攻める」と決めていた。海外勢は自由形で追い上げてくる選手が多い。「相手に追いついてきたと思わせると、向こうが元気になってしまう」。残り50メートルで約2秒リード。猛追を振り切ろうと腕を懸命に回してスパートし、2位と0秒68差で歓喜の時を迎えた。
 7年前に東洋大に入学してしばらくは苦しい日々を送った。「水泳なんてやっていても意味がない」。周囲に漏らしたことは何度もある。大学2年の春先は力が入らず、泳げば泳ぐほど自信を失った。2015年の日本選手権女子200メートル個人メドレーでは出場40選手中、最下位に沈んだ。
 その年の秋、地元の滋賀県彦根市に戻り、病院で検査を受けると「極度の貧血」が判明した。投薬治療や食生活の改善に取り組んだ。母加奈枝さんにひじきやハンバーグなど栄養豊富な料理を冷凍してもらい、大学の寮まで送ってもらった。
女子400メートル個人メドレー決勝を制した大橋悠依の平泳ぎ=東京アクアティクスセンターで2021年7月25日、宮武祐希撮影
 だが、日本女子のエースの重圧には苦しんだ。五輪開幕1カ月前の競技会では低調なタイムに終わり、「もうメダルは無理」と心が折れかけた。沈む姿に平井伯昌コーチからは「(400メートル個人メドレーに)チャレンジするのをやめる選択肢もあるんだぞ」と言われ、一晩考えた。「(個人メドレーの)200メートルにシフトしようかと思ったけど、メダルに近いのは400メートル」と覚悟を決めた。
 「ダメダメな時期もあって暗くなってしまっていた。周りの先生やチームメートが声をかけ続けてくれた。みんなのお陰で取れた」。首から金メダルを下げ、そう振り返った。残りの200メートル個人メドレーは26日から予選が始まる。「頭を切り替えて頑張る」と次を見据えた。【村上正】

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