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「中世ヨーロッパ」書評 「暗黒時代」イメージの根拠問う|好書好日


 残虐な暴力に満ちた野蛮。迷信だらけで学問を抑圧する蒙昧(もうまい)。感染症がすぐに広まる不衛生。こうした中世理解は、プロテスタンティズムや啓蒙(けいもう)、あるいは19世紀以降の学問がつくりあげたフィクションである。これがこの本の基本的なメッセージだ。本書は、論点ごとにいくつもの根拠史料を長文で抜粋しているので、読者は、中世の実像やフィクションの形成過程を自ら確認できる。
 フィクションはいくつかのパターンでつくられた。
 女性教皇ヨハンナや子ども十字軍のように、全くのつくり話もある。教会が科学を抑圧し、学問や医術は迷信だらけだったとの理解も根拠が薄弱という。地球平面説を信じたのはごく少数だったが、オバマ米元大統領ですら中世を誤ったイメージで語った。「暗黒の中世」を描く映画やゲームは現在でもたくさんある。
 本書の示唆は過去の理解だけにとどまらない。
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