広島の原爆で傷ついた被爆ピアノの演奏会が8日、長崎市を拠点にオンラインで開かれる。被爆ピアノを修復し全国に音色を届ける活動を続ける広島市の調律師・矢川光則さん(69)自ら、トラックでピアノを広島から長崎へ運ぶ。演奏は動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信する。
日本生活協同組合連合会(生協連)が7、8日に主催する平和関連行事のうち、8日午後のプログラムの一つとして長崎市内の小学生らが演奏。演奏会に合わせ、広島市の松井一実市長が、田上富久・長崎市長宛てに平和のメッセージも寄せた。
被爆ピアノが「平和の使者」として全国各地を巡るのに合わせ、松井市長は2019年から、演奏会が開かれる各地の首長宛てに平和のメッセージを託している。今回は15通目で、長崎市長宛ては初めて。
メッセージでは、被爆ピアノの演奏会が「より多くの市民にとって平和の尊さと、三度目の過ちが起きてはならないという思いを改めて確認する機会になる」とし、平和の実現を強く願う両市の交流が一層深まるよう期待した。
矢川さんの活動を支援する広島市の市民団体「ひろしま被爆ピアノ友の会」は「被爆者は高齢化している。両市でさらに連携を深め、平和の思いを伝えていきたい」と話す。
8日午後のプログラムは午後1時半から。生協連の特設ポータルサイトからも視聴できる。【山本尚美】
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