180度のパノラマスクリーンで上映されている「東北ハウス」のオリジナル映像作品=東京・秋葉原
東京五輪に合わせ、本県など東北・新潟の情報発信拠点「東北ハウス」が22日、東京・JR秋葉原駅前のイベント会場「アキバ・スクエア」内にオープンした。東日本大震災で国内外から寄せられた支援への感謝と東北・新潟の魅力を伝え、観光誘客や交流人口の拡大を目指す。8月7日まで。入場無料。7県の産学官でつくる実行委員会の主催。
新型コロナウイルス感染拡大を受け、昨年夏から1年延期して開設した。注目は、東北・新潟が誇る地域資源をまとめたオリジナル映像作品。180度のパノラマスクリーン(高さ4メートル、直径22メートル)に映し出される四季折々の自然美や伝統文化は迫力満点で、本県から福島市の花見山と三島町の第1只見川橋梁(きょうりょう)の空撮映像、相双地方の国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」が登場する。
福島民友新聞社など7県の地方紙9紙は震災関連記事を編集した特別紙面のパネルを展示しており、「復興へ駆ける」と掲げた本紙は、相馬野馬追の躍動感あふれる写真を中心に復興への歩みとスポーツ、文化で活躍する若者らの姿を報じている。
会場では各地の伝統工芸品のほか、210蔵元が造る地酒(4合瓶)を延べ約800本紹介。都内への緊急事態宣言発令に伴い試飲は取りやめたが、その場で注文することができる。
開所式と内覧会が22日、現地で開かれた。実行委員長を務める東北経済連合会の海輪誠会長が報道陣の取材に応じ、東京五輪が大会理念とする「復興五輪」について「やや薄れつつあるが、東北ハウスから被災地復興の意味を訴え、復興五輪を具体化する手段の一つにしたい」と強調した。
時間は午前11時~午後7時(最終受け付けは同6時30分)。感染防止対策で一度の入場者を定員の4分の1に当たる250人に絞った。実行委は1日当たり1500人、会期中に2万5000人の来場を目標とした。
8月24日~来年1月24日には「バーチャル開催」を展開。実行委は会場の様子や展示内容をウェブサイトで公開することで、感染症の収束後に海外からの誘客につなげたい考えだ。
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