郡山市は自主避難所２１カ所、車を移動させる車両避難所３９カ所を開設した。ハザードマップで浸水が予想される芳賀地区では、ケイセンビジネス公務員カレッジの施設が初めて避難所として開放された。「垂直避難」もできる施設には段ボールベッドなどが運び込まれ、星田弘美副校長は「安心して避難の時間を過ごしてもらいたい」と語った。
福島市や二本松市、南相馬市も避難所を設け、早期の避難を呼び掛けた。このうち福島市は、２７日の新型コロナウイルスワクチンの集団接種日程を変更した。
いわき市は、同市好間町の夏井川防災ステーションで、浸水を防ぐための土のうの緊急配布を行った。施設を訪れた冨塚義勝さん（７３）は、東日本台風で浸水した知人に代わり、土のうを取りに来た。「余分にある分には困らないだろう」と話し、十分な備えを取る考えを示した。
農家も台風の接近を危惧する。伊達市梁川町のキュウリ農家八巻長一郎さん（７０）の畑では、キュウリの収穫が始まったばかり。八巻さんは「葉っぱがちぎれたり、実が擦れたりすると出荷できなくなってしまう」と、畑を取り囲む高さ２メートルの防風ネットを念入りに点検した。ＪＡふくしま未来は、出荷の最盛期を迎えているモモ「あかつき」の被害を防ぐため、２６日中に収穫するよう伝えた。
浜通りの各漁港では、漁業関係者が漁船の係留を強化するなどの対策に追われていた。いわき市の小名浜漁港で漁船を固定する作業をした漁師志賀金三郎さん（７４）は「直撃が心配だ。被害が出ないことを願いたい」と話した。
政府の原子力災害現地対策本部は、２７日の東京電力福島第１原発事故に伴う帰還困難区域への住民の一時帰宅を中止すると発表した。東電は、福島第１原発構内の資機材の固定などの対策を進めた。台風接近時には屋外作業を中止する。
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