検察の「不起訴」とした判断を覆すこともできる「検察審査会」。最近では菅原前経産大臣の「不起訴」を一転させ、存在感が増しています。いったい、どのような組織なのでしょうか。 建設会社で働く男性。およそ20年前、自宅にある通知が届きました。 「検察審査員に選定されました」 「最初はこの団体自体分からなかったです。『検察審査会』というものが何か全然」(検察審査会の審査員に選ばれた平柳浩一さん〔60〕) 検察が出した「不起訴」が妥当かを審査する「検察審査会」。審査員11人は、有権者の中からくじで選ばれます。いわば、法律の“素人”が、検察の“プロ”の判断をチェックする仕組みです。 「『不起訴ではない』という判断を我々素人がする。法律の解釈云々よりも市民感覚というか」(平柳浩一さん) 検察が「不起訴」とした場合、申し立てがあれば審査が始まります。ここで「起訴すべき」「不起訴は不当だ」と判断すれば検察が再捜査を始めます。ただ、再捜査でも再び「不起訴」とされたケースに対して、検察審査会が2度目の「起訴すべき」と議決すれば「強制起訴」。つまり、「正式な裁判」が始まることになるのです。 「(Q.今の検察審査会をどう見ていますか?)力あるでしょうね」(平柳浩一さん) 最近では東京高検元検事長による賭けマージャン問題や菅原前大臣の処分が、「不起訴」から一転「起訴すべき」の議決によって略式起訴となるなど、検察審査会の存在感は明らかに増しています。 「不起訴にしても結局強制起訴される」(検察幹部) 「『検審バック』は意識せざるをえない」(検察幹部) 検察審査会から処分を戻される事を意味する「検審バック」。“民意”を反映させた検察審査会の判断を検察は意識せざるを得なくなっています。今後、「桜を見る会」前夜祭をめぐる安倍前総理の不起訴についても議決を出す見通しです。
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