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10年ぶりに市道復旧 紀伊半島豪雨被害 和歌山・田辺で開通式


 2011年9月の紀伊半島豪雨による大規模な斜面崩壊で通行止めになっていた和歌山県田辺市熊野(いや)地区の市道木守杣谷線が10年ぶりに復旧して21日、現地で開通式があった。地元住民や工事関係者らが参加し、復旧を祝うと共に、改めて防災力の強化を誓った。
 復旧工事を進める国土交通省紀伊山系砂防事務所(奈良県五條市)によると、11年9月4日、深層崩壊により山の斜面が幅440メートル、長さ480メートルにわたって崩れ、市道も地盤ごと流失した。約526万立方メートルの土砂が熊野川に流入して土石流を引き起こし、住民3人が犠牲になった。
 新たに整備された道路は延長約1・6キロ、幅5メートルで、既存部分とつながれ、6月10日から使用されている。開通前まで熊野地区の奥にある木守地区から最寄りの診療所までは国道371号を迂回(うかい)していたが、復旧により距離が7・3キロ、所要時間は15分短縮された。
 熊野地区の崩壊斜面対策では、道路以外にも砂防ダム(長さ145・7メートル、高さ14・5メートル)や排水路などを設け、再度の斜面崩壊や土石流の防止に取り組んだ。こうした工事を行った上で市道整備に取りかかったため、開通まで10年かかったという。20年度末までに投じた総事業費は107億円。今後、河床の浸食を防ぐ工事などを行い、2年程度で完了させたい考えだ。
 式典で田辺市の真砂充敏市長は「この災害を風化させず、より災害に強いまちづくりを進める」と述べた。その後、テープカットや車両の通り初めがあった。熊野地区の岡田克哉区長(62)によると、地区の人口は被災前からほぼ半減し、15人となっている。岡田区長は「被災直後の変わり果てた風景には言葉も出なかった。10年は一つの区切り。来年には被災で休業している地区内のキャンプ村も再開するし、もうひと頑張りしたい」と話した。木守地区の井本清・区長代理(79)も「開通で地区外に出て行くのも気分が楽になった」と喜んだ。【竹内之浩】
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