高校野球鹿児島

　「夏で歴史をつくる」。その思いを胸に甲子園を目指した第２シード鹿児島城西の夢は、あっけなく終わりを迎えた。リードされた焦りからか、持ち前の打力は最後まで鳴りを潜めた。
　鹿児島市の鴨池市民球場。１点を追う３回、１死二塁の得点機を生かせず。「ここで同点にしておけば状況は変わったのだが」と佐々木誠監督。５回に失策でさらに２点を失った。
　緩急をつけながら、制球良くコーナーに投げ分ける相手左腕に手を焼いた。打つタイミングをずらされてフライの山を築き、終わってみれば散発２安打。５回以降は一人の走者も出せなかった。
　主砲・巻は「大振りになってしまった。回を重ねるごとに焦りも出た」。乗田主将も「自分たちのプレーが全然できなかった」と残念がった。
　夏の頂点はまたもお預け。試合後、早過ぎる終幕に選手たちは涙に暮れた。それでも乗田は「きつい練習をみんなで乗り越え、やり切った。悔いはない」。最後は堂々と胸を張った。
■鹿屋農「束になって」難敵破る
　初回、好機できっちり犠打を決めて先制点につなげ、５回には敵失で加点とそつのない攻めを見せた。先発楠原は変化球でコーナーを突き、相手打線を封じた。守備陣も無失策で支えた。
　「百点の投球だった」と笑顔の楠原。平野は「ここまでくればどのチームも力がある。負けたチームの分まで絶対に勝ちたい」と次を見据えた。
　

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