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2021年07月19日
 神奈川・江の島でセーリングを始めたのは24年前。当初は「ヨットが嫌いだった」少年が、慣れ親しんだ海で開かれる東京オリンピックに出場する。「地の利は大きいと思いますね。チャンスだと思う」。ナクラ17級日本代表の飯束潮吹(しぶき、32)=エス・ピー・ネットワーク=は、五輪種目最速の「空飛ぶヨット」を操り、自らの原点ともいえる海で躍動する日を心待ちにしている。
東京五輪セーリング・ナクラ17級日本代表の飯束潮吹(左)と畑山絵里。五輪ではまずは上位10艇による最終レース進出を目指す=神奈川県葉山町の葉山マリーナで2020年3月6日午後4時1分、細谷拓海撮影
 ナクラ17級はリオデジャネイロ五輪で採用された新しい種目だ。男女混合の2人乗りで、全長約17フィート(5・25メートル)の二つの船体で構成される。スピードに乗ると水中翼の揚力で浮かび上がって水面を飛ぶように走り、時速50キロにも達する。飯束は日本経済大の後輩、畑山絵里(29)=エス・ピー・ネットワーク=とコンビを組む。
 セーリングが趣味だった父嘉庸(よしつね)さん(67)の影響で、小学3年の時に「江の島ジュニアヨットクラブ」(現江の島ヨットクラブジュニア)に入った飯束。当時は並行してやっていたサッカーの方が楽しく、「友達と遊ぶために行く感覚で、ヨットに乗るのはついでだった」と話す。それでも、高学年になってレースで結果が出るようになると、徐々にのめり込んだ。休みは大みそかと元日のみ。江の島の海に育まれ、実力をつけていった。
 中学2年で出場した2002年釜山アジア大会のオプティミスト級で金メダル、福岡第一高3年時の06年ドーハ・アジア大会は420級で銀メダルと、ジュニア時代からの実績は輝かしい。五輪を期待する周囲の声は大きかったが、本格的に目指し始めたのは日本経済大学を卒業してからだ。社会人2年目の12年、江の島を拠点に470級で16年リオ五輪への挑戦を始めた。だが、最終選考には残ったものの、対象となった2レースのポイントは4組中3位。大接戦だった上位2組と争うこともできぬまま出場を逃した。
 「次へのステップアップ」と選んだ艇種はナクラ17級。船体が二つある形状も、水面上に浮き上がる「フォイリング」と呼ばれる走らせ方も、経験してきたどの艇種にもない異質なものだった。「全然感覚が違う。船が浮く分、バランスを取らないといけないし、スピードにも慣れないといけない」と言うが、「違いがあるからこそ楽しい」。艇種が変わる度に結果を残してきた飯束らしく、新たな挑戦に胸を躍らせながら腕を磨いてきた。
東京五輪会場の江の島(後方左)で練習するセーリング・ナクラ17級日本代表の飯束潮吹(左)と畑山絵里。日ごろから練習拠点にしており、地の利は十分だ=神奈川・葉山沖で2020年3月6日午後2時38分、細谷拓海撮影
 昨年2月、オーストラリアでの世界選手権。最終レースでライバルをわずか1艇差で逆転し、五輪出場権を獲得した。「東京でやる五輪。しかも会場が江の島ということで、出たいって気持ちがさらに強まっていた」。強い思いが最後に実った。
 福岡で過ごした高校、大学時代を除けば拠点はずっと江の島だった。「風がどこからどう吹いてくるか、分かっている。江の島は波がすごいから、うまく使って走らせたい」。ナクラ17級は日本でなじみの薄い艇種のため、ノウハウは蓄積されていない。飯束と畑山は速く走らせるために船をコントロールする技術を課題としていたが、五輪が延期されたことで強豪が集まるスペインで海外勢の胸を借りて練習を積む時間ができた。「最初はぼこぼこにされたけど、後半は船を扱う技術も上がってきた。延期のおかげで成長できた」。まずはメダルレース(最終レース)に残ることが目標だ。
 1964年の前回東京五輪も会場は江の島だった。その翌年、大会のために整備されたハーバーを活用して日本初の本格的なジュニアヨットクラブとして設立されたのが、飯束も通った「江の島ジュニアヨットクラブ」だ。前回東京五輪から57年。そのレガシー(遺産)とも言えるセーラーが、江の島の海から世界の大海原へ乗り出す。【細谷拓海】
いいつか・しぶき

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