宝塚ワールド:

宝塚ワールド:「役に乗り移ってる」 宝塚宙組新トップ娘役の潤花、詐欺師役に


男性たちを手玉にとるアイリーン・アドラーを好演する潤花(中央)=兵庫県宝塚市で2021年6月25日、菱田諭士撮影
 宝塚歌劇団宙組トップ娘役の潤花が、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)でのお披露目公演「シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-」(生田大和作・演出)に臨んでいる。トップスターの真風涼帆演じるホームズと対等に渡り合う詐欺師の役。「緊張している場合ではない。毎日、役に乗り移っているような気持ちです」と稽古(けいこ)中に語っていた通り、堂々と“名探偵の心を唯一動かした女性”を舞台に息づかせている。
 舞台は19世紀の英・ロンドン。史実の「切り裂きジャック」による連続殺人事件をモチーフに、ホームズと宿敵のジェームズ・モリアーティ教授(芹香斗亜)の対決を描く。
大人びた雰囲気武器に
 潤が演じるアイリーン・アドラーは表向きはオペラ歌手だが、過去に一度ホームズを出し抜き、今回の事件でも重要な鍵を握る役どころ。165センチの長身を生かした大人びた雰囲気を武器に、落ち着いた発声と優雅な振る舞いで説得力を持たせた。「誰もが目を引く美しさと知的さもある女性で、自分とはかけ離れている」と苦笑するが、政府要人を色香で惑わせる冒頭のシーンから風格を漂わせる。
 役に息を吹き込む姿勢は真風の後ろ姿から学んだ。「台本を見ながらのお稽古で、数分ごとに歩き方や座り方をいろいろ変えていかれる。(役の)『血を流す』段階から(が重要)とおっしゃっていたのが、ふに落ちた」という。セリフを覚える以上に、感情を自然に出せるよう役に入り込むことの大切さを実感したといい「体の中身を作ることが一番大事だと思いました」と表現する。
 シックな色調の芝居から打って変わり、「Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-」(野口幸作作・演出)はスイーツがテーマのカラフルなレビュー。“陽”のイメージそのままに明るい笑顔で、伸びやかに踊る姿が印象的。中でもカンカンで、ぶれのない高速回転を披露するシーンは圧巻だ。
「自分自身にうそ偽りなく向き合いたい」
 入団6年目。円熟味を増す16年目の真風の隣に立つ重圧はもちろんあるが、等身大であることを心がけている。「『ありのままでぶつかってほしい』と、言ってくださった。仮面を着けず思ったことは素直に伝え、舞台上でも普段も自分自身にうそ偽りなく向き合いたい」。そんな潤に、真風も「前向きに頑張っていて、私自身も勉強させてもらっている」と信頼を寄せる。
 トップ娘役になり、「絶対に体調を崩せない」と責任感はより強まったが、気負いはない。「今はどの時間も充実しています。どれもゴールがないので」。芸の極みへの道は始まったばかりだ。【反橋希美】
じゅん・はな

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