市場では「米国では、労働市場の回復がピークアウトした可能性に加えて、インフレ高進から消費マインドが腰折れするリスクが高まってきた」(国内銀ストラテジスト)との声が聞かれる。
こうしたリスクは、ミシガン大学が16日に発表した消費者信頼感指数(速報値)にも明確に表れており、7月は80.8と6月の85.5から大幅に低下、5カ月ぶりの水準に落ち込んだ。調査部門ディレクターは「住宅や自動車、家庭用耐久財の値上がりに対する消費者の不満が過去最高水準に達した」とみている。 期待インフレ率は1年先が4.8%と、2008年8月以来の高水準となった。6月は4.2%だった。5年先は2.9%と、6月の2.8%から上昇した。
米長期金利は、現在1.2753%付近だが、一時1.2640%まで低下し、8日に付けた5カ月ぶり低水準1.2500%に迫った。
6月の米消費者物価総合指数は前年比5.4%上昇、コア指数は4.5%上昇し、市場に上振れサプライズをもたらした。4―6月期のコアCPIは年率ベースで8%超上昇し、1980年代初期以来の高い伸びとなった。
<09:00> ドル109円後半、米長期金利が再び1.26%台まで低下
ドルは109.85円まで下落。早朝の高値110.07円から下落した。背景は米長期金利の低下。
リフィニティブによると、米10年国債利回りは1.2653%(ビッドサイド)まで低下した。16日のニューヨーク市場終盤には1.3003%だった。
市場では「株安と長期金利低下という典型的なリスクオフ相場になっている。米国債に関しては、とにかくショートにしたら負けという相場が続いている。理屈が通らない世界だ」(外国銀)
16日に発表された米経済指標はまちまち。
米ミシガン大学が発表した7月の消費者信頼感指数(速報値)は80.8と、6月確報値の85.5から大幅に低下し、2月以来5カ月ぶりの水準に落ち込んだ。物価上昇への懸念が経済回復に関する前向きな見方を抑制した。
<08:15> IMMでユーロロングが直近のピークから半減
ドルは109.94円付近、ユーロ/円は129.87円付近で両通貨ペアとも円高気味。ユーロは1.1807ドル付近で小動き。
米商品先物取引委員会(CFTC)が16日発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組によると、投機部門が保有するユーロロング(買い持ち)は、13日時点で5万9713枚と、前週から22.6%減少、6月15日の直近のピーク(11万8186枚)から49.5%も圧縮された。
この間ユーロは、6月15日の高値1.2147ドルから、7月13、14日の両日につけた1.1772ドルまで大幅安となっており、先物取引の動向が直物にも反映されている。
ユーロに関しては「22日の理事会で新たな戦略を反映させるためにガイダンスが変更される予定だが、ガイダンス変更を巡り理事会メンバー内で意見が対立しているとの報道もあり、先が見通しにくい」(外為アナリスト)との意見も聞かれた。
一方、IMMの円ショートは13日時点で5万6250枚と、前週の6万9136枚から減少した。
<07:50> ドル109.70─110.50円の見通し、株価・米金利・コロナ情勢次第
ドル/円は110.05円付近、ユーロ/ドルは1.1807ドル付近、ユーロ/円は129.92円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が109.70―110.50円、ユーロ/ドルが1.1760─1.1860ドル、ユーロ/円が129.40―130.40円とみられている。
16日のニューヨーク市場では、6月の米小売売上高が予想外に堅調だったことでドルは110.34円まで強含んだが、その後に発表された米ミシガン大学の7月消費者信頼感指数(速報値)が大幅に低下したことや、株安、新型コロナのグローバルな感染再拡大などを受けて反落した。
きょうは米国で主要な経済指標の発表やイベントがないため、「基本的には株価と米長期金利をにらむ展開となりそうだ。また、これらに影響を与えるコロナの感染拡大に関する報道にも注意したい」(外為アナリスト)との意見が聞かれた。
16日のロンドン株式市場は続落。新型コロナウイルス感染の急増により経済活動再開への期待が後退したことが主因だ。
全スポットレート(ロイターデータ)
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